BABAQUALITYな頭ん中

さぁ新しい世界の扉を開こう。政治を中心に、神話、妖怪、TRPG、カードゲーム、和風ファッション等色々書く(つもり)。好きなアニメはもののけ姫とまどマギ。

SSSS.グリッドマンを見ようぜ!!♯1ノスタルジーと特撮の融合

※本稿にある画像はYouTubeチャンネル「utshiha anime'」様の「SSSS.GRIDMAN HD1」「SSSS.GRIDMAN HD 3」から借用しているものがあります。

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(「SSSS.GRIDMAN」公式HPよりⒸ円谷プロ Ⓒ2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会)
2018年10月から始まった「SSSS.GRIDMAN」。
幼少期、原作である「電光超人グリッドマン」を見ていた者としてアニメ化には非常に驚いたが、原材の映像技術でどのように変化したのか大いに期待しているナウである。

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(電光超人グリッドマン VOL1.[DVD]より)
さて、この「SSSS.GRIDMAN」の原作は1993~1994年に放映されていた「電光超人グリッドマン」であることは先ほど述べたが、本作は原作よりも風景描写や間の取り方において、非常に優れていると最初に言っておこう(異論は認める)。

それが今回のテーマである、「ノスタルジーと特撮の融合」である。まず、設定として主人公たちは高校一年生になっており、原作の中学二年生の設定よりも年齢が引き上げられている。そして「学園モノ」の属性が付与されているところが大きな特徴。学校の細かな描写、教室の雰囲気などは「あー、わ分かるわ」となる人も多いだろう。f:id:babaquality0:20181107122434p:plainf:id:babaquality0:20181107122504p:plain
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(↑誰もが経験した学校生活の日常や記憶の片隅にある学校の風景を呼び覚ますような細かい描写が本作にはちりばめられている。教室の少し暗くて、青空や外の風景が強調されてる感じとか休み時間っぽくて最高!「SSSS.GRIDMAN」1話より)

そう、この学校の描写、もっと言えば青春時代に見たであろう、夢見たであろう風景が我々のノスタルジーを喚起させる。胸が締め付けられるような、時間の流れを感じてしまうような、でも居心地がいいようなそんな感じ。素晴らしい。また、セミの声や学校での生活音など「音」の面でもノスタルジーで我々を殺して来るから全く容赦のないアニメである。
そして、この「ノスタルジー」とうまく溶け合う形で「特撮」が存在しているのが本作の大きな特徴であると私は考える!!(拳を強く握りながら)
まずこの画像を見てほしい。

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(「SSSS.GRIDMAN」1話より)
澄み渡る夏の空に大きな脅威、怪獣の像が写し出されている。眼下には我々の住む街が広がっており、この描写は日常と非日常が混在していることを表しているのだろう。
ただ、この怪獣の壮大さと夏の青空が相まって、「今から何かが始まる…」そんな予感めいたワクワク感…夏休みを迎える前の感覚に似ているだろうか、そんな感覚を覚え、本作がノスタルジーと特撮の描写を上手くマッチングさせていることが分かる(個人談)。

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(「SSSS.GRIDMAN」1話より)
この画像においても、霧と怪獣の姿がなければ、夕日に沈む街を歩く二人の青春シーンであるが、両者の存在によって不穏かつ、日常の危うさを感じさせている。蛇足ではあるが、個人的にこの夕日と霧、ノスタルジー、ロボット(?)、サイバー的な雰囲気にデジャヴを感じていたのだが…。

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(NHKアニメワールドより ©磯 光雄/徳間書店電脳コイル製作委員会)
完全に「電脳コイル」だった。いやぁ良作。こちらもノスタルジーと特撮…ではないが、SF的な要素の融合が楽しめる作品なので是非。

まぁ何が言いたいのかというと、このノスタルジーと特撮の融合によって、本作は原作にはない、迫力を醸しているということである。

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(↑戦闘描写は特撮モノにとって命。流石は円谷プロである。「SSSS.GRIDMAN」1話と3話より)
我々がノスタルジーを感じた世界が、圧倒的な暴力に蹂躙される。この事はその世界に美しさや郷愁を感じていればいるほど感情移入できたり、哀愁や郷愁とは真逆と思える恐怖や迫力を感じることができるのだろう。夏のノスタルジーから大迫力の特撮へ
、この一連の流れがグリッドマンの面白さを加速させる。日常あっての非日常なのだ。
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(↑個人的に好きな日常シーン 「SSSS.GRIDMAN」1話より)

さて、如何だったであろうか。アニメ「SSSS.GRIDMAN」。原作を知らなくても本作は楽しむことができるので是非とも見てもらいたい。特撮はあまり興味ないという方でも、今まで述べたようなノスタルジーという観点から見てみると、その対極にある特撮描写を楽しむことも出来るのではないだろうか。
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(↑夏!ロボット(的な)!青春!最高かよ!「SSSS.GRIDMAN」OP曲「UNION」より)


最後に、本作のOPについて少し言及したい。OP曲の歌詞において以下のような文言がある。
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作り物のようなこの日々に
僕らのS.O.Sが加速する
何かが違うと知りながら
見慣れた空 同じ景色に今日が流れてく


あの日の誓いってなんだっけ
教室で何を語ってたっけ
このままじゃ約束まで消えてしまう
(sorce: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/oxt/union/より)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
非常に青春な歌詞である。自分が何者なのか、何を成せばいいのか。どんな夢を抱いていたのか。社会の中に埋もれそうなことに対するSOSを歌った部分。我々が少年の頃に葛藤し、今現在も我々を悩ませる種でもあるだろう。「SSSS.グリッドマン」はそんな少年少女の物語である。是非とも自己の葛藤や青春の甘酸っぱさにも注目して頂き、今後主人公たちがどう成長していくのか、自分の思いと照らし合わせて見ても面白いだろう。
アクセスフラッシュで我々も変身だァ!!

以上!


引用、参考元
・Ⓒ円谷プロ Ⓒ2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会「SSSS.GRIDMAN」公式ホームページhttps://gridman.net/
・「SSSS.GRIDMAN」OPテーマUNION画像
http://www.neowing.co.jp/product/PCCG-70434
・「utshiha anime'」https://youtu.be/ifPzLLT0RNc
https://youtu.be/jpM67zDuuxk
・「電光超人グリッドマン VOL.1 [DVD]」https://www.amazon.co.jp/%E9%9B%BB%E5%85%89%E8%B6%85%E4%BA%BA%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%9E%E3%83%B3-VOL-1-DVD-%E5%B0%8F%E5%B0%BE%E6%98%8C%E4%B9%9F/dp/B009LIJPKI
・「NHKアニメワールド」http://www6.nhk.or.jp/anime/program/detail.html?i=coil
・「電脳コイル」©磯 光雄/徳間書店電脳コイル製作委員会

沖縄県知事選挙―錯綜する情報と県民の揺れ―

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沖縄県知事選挙の期日が明日に迫っている。

事実上玉城デニー氏とさきま淳氏の一騎討ちであり、沖縄革新勢力VS中央政府という構造であるとることが出来るだろう。

メディアでは当初玉城デニー氏優勢と伝えたが、現在では拮抗しているとの報道が多いとのこと。
両陣営共に余談のならない状況のようである。

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(写真は玉城デニー氏とさきま淳氏 日刊ゲンダイより)

2014年県知事選挙の時と比べて見ると、前回翁長雄志氏が仲井眞弘多氏を大差で破った状況とは全く正反対の状況である。

本稿ではその理由を簡単に考察し、私なりに沖縄県民が取るべき選択肢とは何かを提示したい。
余談であるが、私が今回応援している候補者は玉城デニー氏である。その点も理解した上で読んでほしい。

まず、何故今回の知事選挙がこのように拮抗している状況になっているのか。
それは県民の「基地」疲れがあるのではないかと思う。翁長氏に政権を交代した際は、「沖縄県が自立をするんだ!」「沖縄県の思いを届けてくれ!」と沖縄の不満を国に対してしっかりと言える政治家を県民が求めた。それは仲井眞氏のような国に追従する政治家では出来ないことであると県民の多くが判断した結果であろう。

しかしながら4年たった現在でも、基地問題は解決していない。勿論翁長氏が知事になり4年で基地問題が解決するということはあり得ない話であるが、県民にとっては「全く変わっていない」「県の主張は聞き入れてもらえない」等と基地問題に関して先行きの不透明感故の不安を感じるには充分な4年間だったのかもしれない。

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(写真は辺野古ゲート前の様子 琉球新報より)

私は辺野古のゲート前やデモなどを幾度か見学したことがあるが、おそらくこの不透明感を感じたのは彼らではないだろう。辺野古基地移設反対を唱える方々は沖縄の苦難の歴史や悲しみを多く背負って活動している方が多い印象がある。つまりある程度高齢の方が多い。故に翁長氏には頑張ってほしいとの方向に揺れはなかっただろう。では誰が不透明感を感じていたのか。それは、若年層から中年層までの沖縄戦の歴史を直接的には比較的継承していない県民たちではないだろうか。

彼らは歴史認識上、高齢層と比べて基地に関しては反発が少ないだろう。米軍が開く祭りや地域とのコミュニケーションを通じて米兵に友人や恋人を持つ方もいる。故に「基地は絶対作らせない」という翁長氏や玉城氏の発言に対して理解しづらいのではないか。

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(写真はキャンプキンザーフェスタの様子 沖縄ローカルナビより)

そうなると辺野古に基地を作ることに関して抵抗感が高齢層よりも薄いことになる。勿論米軍基地が増えることを良しとする県民は少ないだろう。ただ、それが普天間基地の移設に伴う基地建設であれば、翁長県政の四年間を鑑みても、国と協調して徐々に減らした方が良いとする思考になり、基地移設に関して肯定的になる県民が増えていっても何ら不思議はないだろう。

さきま氏は国との協調路線をアピールする他にも、県民の直接の利益となるような政策を発表し、自らが県にとって益となる政策が実現できることも訴えている。その最たるものは沖縄県民の携帯電話代を四割減とする公約だろう。この公約は非常にツッコミどころのあるものではあるが、一見するとシンプルに県民の利益になるものであり、自然環境保護や誇りある沖縄などと訴えている玉城氏より良く見える可能性は大である。

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(写真は菅官房長官と政策を訴えるさきま氏)

また、安全保障の面においてもネット上などで流布する「中国脅威論」を重要視する県民は少なからずいるのではないか。個人的には「中国は危険ではない」と言い切れないのが本音のところだ。勿論直接攻めてきたり、沖縄を自国の領土であると主張したりなどはないだろう。占領などは論外。統治に多大なコストがかかる占領はデメリットはあるがメリットはほぼ0に近い。

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(写真はトランプ大統領と握手する習近平国家主席 Newsweekより)

しかしながら中国が軍事力を背景に海洋進出に関して日本に圧力をかけたり、対日外交の一手段として中国が日本に責めよってくることは考えられないことではない。そのため現時点ではある程度日米安保は機能していると言えるだろう。しかし、だからと言って辺野古に基地を移設することが安全保障的にも沖縄県がとりうる手段としても正しいのかと言われれば首を傾げざるを得ない。

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(写真は在沖海兵隊司令官ニコルソン氏 ハフポストより)

そもそも辺野古の基地に配備される海兵隊は2000人程度であると言われているが、彼らが居ないからといって、日米安保が損なわれるのだろうか。私はそうは思うない。アメリカが日本と安全保障条約を結び、日本国内にある程度基地を配備している以上、日本との軍事的な敵対はアメリカを巻き込むことになり、経済的にも軍事的にも強大なアメリカはわざわざ巻き込んでまで対日外交を強硬的に進める必要は全くないからだ。

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(写真はキャンプシュワブの様子 琉球新報より)

海兵隊が軍事にどこまで存在感があるのかが不透明なまま(個人的にはあまりないと考える)、政府主導の辺野古移設に踏み切って良いのか。勿論普天間基地は閉鎖に向かわねばならない。しかしそれが安全保障上重大な損失であるかは微妙な話である。私は政府が、基地問題解決の道は辺野古しかあらず、その他の道はないと県を揺さぶっているように見える。実際そのような方針なのかもしれない。そして現在、基地反対に飽きがきて、絶望感があるような若年層から中年層にターゲットを絞り、県民にとって利益となる条件を提示してさきま氏への投票を促しているのではないか。

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(写真はさきま淳氏PVから)

「対立より対話」このさきま氏の言葉は辺野古基地移設問題や沖縄の基地問題そのものに不透明感や疑心を感じた県民に魅力的に映るだろう。しかしながらそれは政権奪還の口実にすぎないのかもしれない。公約に潜む「裏の理由」を玉城氏を応援する方にもさきま氏を応援する方にも、自分は何故応援しているのか、投票する前に1つ考えてほしい。もしかしたらそれはうまく権力に誘導されているだけの可能性もあるからである。

さて、最後に私がデニー氏を推す理由もう1つだけ述べるとする。それは近年の沖縄の政権運営が非常に不安定であるからである。元々沖縄という土地は、保守と革新の差が大きく、政権かなり流動的に保守革新に移ってきた歴史がある。しかし近年はそれが少し激しいように感じる。保守の仲井眞氏から革新の翁長氏へ、そして現在流れは若干さきま氏にあると私個人は想うため例えば再び保守のさきま氏が県政を担うとする。すると革新政権の頃の政策と基地に関しても他の政策に関しても違いが出てくる。

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(写真は安倍晋三内閣総理大臣 自民党Lib Demsより)

現在の安部政権が安定して政策を行えているのは、長期に渡って彼が政権を握っているからである。長い期間政権を運営すれば、それだけ一貫した政策が実行できるチャンスがあると言え、逆に政権交代が多い行政は一貫した政策を行うことができず、行政は停滞する。沖縄の基地問題や経済問題がイマイチ進展しない理由はこの政権の不安定さも起因するのではないか。

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(写真は翁長雄志氏 公式ツイッターより)

私は翁長氏が四年の間下地を作ってきたその地を活かして、今度は実行の四年間としてもらいたい。何度も政権を変え、一見自分に利益のあると見えるものに飛び付いているだけでは沖縄の良い発展には繋がらないだろう。隣の芝生は青いとも言うが、ここはもう一頑張りで玉城氏を応援してほしい。私はそう思う。

以上が私の県知事選挙への思いである。
願わくば県民の、そして日本国民の、世界の人々が笑顔になれるような世界になることを祈り、今回の稿を終わりにする。読んで頂きありがとう。
以上

馬場

#沖縄県知事選挙 #玉城デニー #さきま淳